藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
「終わらせないでよー」


私はぶりっ子アイドルかのごとく、頬を膨らしていた。


「じゃあ、次は藤くんからしりとりの『り』からで最後に『ん』が絶対つかないやつね!」


「ウザ」



ぐぅぅ、藤くんが冷たいどころか最近どんどん口が悪くなってきている件………


溜息交じりに藤くんは次の言葉を発した。


「りす」


初めて『ん』のつかない言葉、そして小動物を選んだ可愛らしさに、私は心のトキメキを覚えた。



「ええっとー…じゃあ次は『す』ね!
えーっと」



私は次へ続く言葉を頭の中で整理しながら、とある二文字の言葉を思い浮かべた。



「えーっと…」



そして、私は藤くんを見つめながら


その一言を解き放った。



「……………好き」




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