藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
その刹那。


藤くんもゆっくりとこちらに目を向けた。


交わる視線に


私は自分の頬が熱を帯びていくのを感じた。



「べ、別にこれはこ…告白とかじゃないから!しりとりだよ!しりとり!次は『き』だから」



私は恥ずかしさを隠すために早口で藤くんから目を逸らしながら言った。



「あっそ。じゃあ………嫌い」


「い、いやだ!」


「大根」



………ってまた終わりだし!!!


なんだこのしりとりは!


藤くんはやはりどうしてもしりとりを終わらせたかったようだった。



「藤くん、そこは『大好き』じゃないの!!」


「は?なんだよ。しりとりなんだろ」



ゔぅ…それはそうなんだけど。


それなら『大根』じゃなくても『大好き』でいいじゃないか。


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