藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
するとトレーに手をかけた私の腕を素早く浜井くんは掴んだ。



「……なに?」


「まあまあまあ。もう少し話そうよ」



浜井くんは私をなだめながら口角を上げたいかにも怪しい笑みをする。



「え。もう話すことなくなったんだけど」



それを私は冷めた目でみながら返事を返した。



「そんな冷たいこと言わずにさ〜。それにもうじき、藤も来るから」


「へ?」



藤くんが……来る?


私は頭上にハテナマークを並べていると浜井くんはニヤリと微笑んだ。



「さっきLINE送ったから」



浜井くんはそう言うと自慢気に私に自分のケータイを見せてきた。


も、もしかして、さっき私の話を無視してケータイを弄っていたのは藤くんにLINEを送っていたのか!!


私はそのケータイの画面を食い入るように見つめた。



『川嶋ちゃんとミスド、なう』



その文章に対し返信はきていないものの、既読にはなっていた。


って、ツイッターじゃないんだから!
なに、このつぶやきは!



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