藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
「第一、それじゃ藤くん来るかどうか分かんないじゃん」



むしろそんなつぶやき、LINEでするもんじゃないでしょ。
誘ってるわけでもないし、普通来ないと思うのですが。



「んー、そう?まぁ、だったらもうちょっといようよ」


「だったらの使い方、間違ってるし。それに藤くんがほんとに来るなら私は帰る」


「なんでー?藤と話がしたかったんじゃないの?」



そりゃあ、そうなんだけど……
あぁ!なんでこう乙女心をみんな汲み取ってくれないんだ!!



「それに川嶋ちゃんとはほんとに話したいことが、俺、あるんだよね〜」



そう言いながら少しだけ真面目な声色になる浜井くん。


このまま無視して立ち去るのも私から声をかけた手前なんだか負い目を感じてしまい、とりあえず元の場所に着席した。


そして、まだ手をつけていなかったドーナツを口に運んだ。


うん。やっぱドーナツ最高。


私はそれを飲み込みように胃に入れ、口を開いた。



「で話したいことって……なに?」



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