藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
「じゃ、あとはよろしく頼んだよ」


浜井くんは立ち上がると、そう言いながら藤くんの肩を叩いた。
そしてそのまま自分のトレーを持って立ち去ろうとする。



「え、あ、ちょっと待って、まだ話終わってないんだけどーーー!!!」



私の声は届いていたようだけど、こちらを振り向くことなく右手を上にあげ、ヒラヒラと左右に振り、軽やかに立ち去ってしまった。


残された私と藤くん……


私の体全体に一気に緊張が走った。



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