藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】



***



「な、なんか二人で話すの久々だね」



「……………」



私たちはミスドから外に出て、駅前の並木道を歩いていた。



と言っても、藤くんはここからすぐ電車だし、私は徒歩で帰るから別々なのだが。


12月。


空気も冷たく、吐く息も少し白くなっていた。


沈黙がさらにたたみかけるように、私に襲いかかってくる。



なんか……しゃべんなきゃ……!


しかし、私の思いとは裏腹に


会話もなく、駅まではあっという間に辿り着いてしまった。



「藤くん、電車だよね?今日は来てくれてありがとう」


「…………」


「……それじゃあ」



私は何か気まずい雰囲気なのと


告白なんてとてもじゃないけど
今日はする勇気もなく


すぐに踵を返した。


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