藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
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「な、なんか二人で話すの久々だね」
「……………」
私たちはミスドから外に出て、駅前の並木道を歩いていた。
と言っても、藤くんはここからすぐ電車だし、私は徒歩で帰るから別々なのだが。
12月。
空気も冷たく、吐く息も少し白くなっていた。
沈黙がさらにたたみかけるように、私に襲いかかってくる。
なんか……しゃべんなきゃ……!
しかし、私の思いとは裏腹に
会話もなく、駅まではあっという間に辿り着いてしまった。
「藤くん、電車だよね?今日は来てくれてありがとう」
「…………」
「……それじゃあ」
私は何か気まずい雰囲気なのと
告白なんてとてもじゃないけど
今日はする勇気もなく
すぐに踵を返した。