藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】



***



「今日は学級委員長を決めたいと思います。男女一名ずつやってくれるやつはいないかー?」



只今新しい学年になったと言うことで学級委員とやらを決めようとしている。




「積極的にやってくれると先生は嬉しいぞ。誰かやってくれる人はいないか〜?」




いつも騒がしい教室に沈黙が走る。
誰も担任の酒井先生を喜ばせようとする生徒はいないのだ。



「誰か〜」



みんな下を向いて酒井先生と目を合わそうとしない。



…いつまでこんなことするんだろ。



私は油断して顔を上げてしまった。
がしかーし。
その瞬間まさかの担任と目があってしまった。



「おー!川嶋!やってくれるか!」



「いや、やるとか何も言ってないんですが!!」



「川嶋がやってくれると助かるな〜」



そんな可愛い顔してきても無理なもんは無理ですから!!



「じゃあ川嶋が学級委員長で賛成の人、拍手〜」




パチパチパチパチパチパチ〜
まっまさかの拍手喝采。



私はちらっと藤くんのいる方を見た。



って、いつにもない大爆笑で拍手してるんだけど。



「ということで女子は川嶋でお願いできる?」



「えぇ〜!!!」



と大声を出したがみんなからの視線が痛すぎる…



「わっ…わかりました…」



そんなんもう了承するしかないじゃん。



ほんと学年上がってツイてなさすぎなんですけど…
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