藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】



***



昼休憩。


私は昼ごはんを食べた後、藤くんのいる隣のクラスに行くのが日課だ。



「藤く〜…」



藤くんはそれはそれは可愛い女の子と話をしていた。


あれは…佐伯みどり(さえきみどり)ちゃんだ。藤くんと同じクラスの。


彼女はかなり有名人だ。
白くて透き通る肌、パッチリとした目、背も高くすらっとしててモデルみたい。栗色のパーマのようなウェーブがかったロングヘアーがよく似合う。


藤くん、なんだか楽しそうに笑ってる。
私に見せたことのない笑顔。


なんだ。
藤くんの気持ち、バレバレじゃん……


私はその日は教室に入ることなく、踵を返した。



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