鈍感で馬鹿な君だから
図書館から出て、外をゆっくりと歩きながら正臣くんは携帯をいじっていた。
「どう?宿題終わりそう?」
わたしがそうたずねると、正臣くんはうーんと少し唸ったあと、頑張る、とだけ言った。
その様子に、わたしもははっと笑った。
すると正臣くんが、あ。と言って立ち止まる。
「何?」
少し先まで歩いていたわたしは、足をとめてくるりと正臣くんの方に振り返った。
「分かった!」
そう言って嬉しそうに携帯の画面をスクロールする正臣くんに、何が?と聞く。
すると、もう1度正臣くんは、あ。と言って目を見開いて、ふはっと笑った。
「何なの?」
眉を寄せてそう尋ねれば、正臣くんはこっちを見た。