鈍感で馬鹿な君だから
「知ってほしい?」
片手をポケットに突っ込んで、わたしの顔をじっと見つめながら正臣くんは笑ってそう言った。
「何を………」
そこまで言って、わたしもはっとする。
「星が、綺麗ですね………」
わたしが静かにそう呟けば、正臣くんはそれに応えるように
「あなたは私の想いを知らないでしょうね。」
と、淀みなく言った。
「知ったところで、どうにもできないでしょ…」
そう言いながら、わたしの声は少し震えていた。