鈍感で馬鹿な君だから
そんなわたしを静かに見つめながら、正臣くんは口を開いた。
「俺さ、」
静かに話出した正臣くんの方には目線を向けず、俯き続けた。
「高校生になって、全然話せなくなって、ほんとに嫌でさ。
何回も中学生に戻りたいって思ってたよ。」
わたしもだよ、と心の中でつぶやく。
「今日さ、お前しかいなかったんだからしょうがねえじゃん、って言ったけどさ……ほんとは、お前が教室からてでくんのずっと待ってたんだよね、ごめん。」
ははっと静かに笑いながら正臣くんは言った。