鈍感で馬鹿な君だから



「あー………」


頭をかきながら、言葉を詰まらせる正臣くんに、わたしは少し顔をあげた。


「なんていうか、俺、こーいう遠回しなのよりストレートに行く派だと思うんだけどさ、これも今日の勉強の成果見せるためってことで?」


そして、携帯をずいっとわたしの方に向けて、真っ直ぐに言った。


「月が、綺麗ですね」


そこには、かの有名な偉人の名前と、i love youで検索がかけられていた。


思わずふっと笑う。


「それは、多分テストには出ないと思うんだけど」


そう笑いながら言うと、正臣くんは、えっそうなの!?みたいな顔をしたから、また笑ってしまった。


そして言った。


「わたし、しんでもいいよ。」




ーend.
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