鈍感で馬鹿な君だから



少しずつ宿題も進んできたところで、知ってる?、ときりだした。


「何を?」


正臣くんは、頬杖をつきながら、目線だけをこっちに寄越してそう言った。


「じゃあ問題」


わたしは今やっている宿題の小説文の作者の名前を指差した。


「このかの有名な偉人さんは、i love youを何と訳したでしょうか。」


「はぁ?……あー…愛してる、とかじゃねえの?」


少し目線をさげてそう言った正臣くんに、違いまーす、と笑って言った。


「じゃあ何て言ったんだよ?」


正臣くんは眉をさっきよりもぐっと寄せ、でも少し興味深そうに聞いてきた。


「ひみつ。」


でもわたしは、小さく笑いながらそう言った。


「はぁ!?めっちゃ気になるんだけど!」


そう言って正臣くんは、身を乗り出して答えを待っていた。


そう簡単に教えないっつーの。



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