ヘッドホンの君



…すっかり彼が現れなくなって、梨花は高校を卒業した。


もうこの通学路を辿ることはない。





電車の窓から見える景色はすっかり冬景色から春へと姿を変えた。


高校生最後の日。



梨花は彼を思い出した。



毎日見つめてた彼。



名前も知らなかった。



話したこともない。
< 11 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop