elevator_girl
深町は、桜井家からすこし離れたあたりでスーパー・7を止めた。
「それじゃ、このあたりで....派手な車で乗り付けたりして
ご近所の噂になるといけないから。」と、にっこり。
「そういう気遣いすると、ますますナンパみたい。」と
諒子は暖かいからかいの口調で。
「かなわないなー。もう。」と、深町も苦笑い。
楽しかったです、またご一緒してください、と
軽く、深町は延べ
ドライバーズ・シートを降り
諒子がパセンジャー・シートを降車するのをエスコート。
「ありがとう、優しいのね。」と、諒子。
「この車はイギリス人のロマンですから、レディー・ファーストで
行かないと駄目なんです。」と、深町。
「車も、本当に好きになると
気持ちまで優しくなれるのね。」と諒子が言うと
深町は、すこし照れて「いやぁ、そんな、....。」と笑った。
深町は、ドライバーズ・シートに戻り
「それじゃまた。」と
スターターを動作させた。