elevator_girl

深町は、桜井家からすこし離れたあたりでスーパー・7を止めた。

「それじゃ、このあたりで....派手な車で乗り付けたりして
ご近所の噂になるといけないから。」と、にっこり。

「そういう気遣いすると、ますますナンパみたい。」と
諒子は暖かいからかいの口調で。


「かなわないなー。もう。」と、深町も苦笑い。

楽しかったです、またご一緒してください、と
軽く、深町は延べ
ドライバーズ・シートを降り

諒子がパセンジャー・シートを降車するのをエスコート。

「ありがとう、優しいのね。」と、諒子。

「この車はイギリス人のロマンですから、レディー・ファーストで
行かないと駄目なんです。」と、深町。


「車も、本当に好きになると
気持ちまで優しくなれるのね。」と諒子が言うと

深町は、すこし照れて「いやぁ、そんな、....。」と笑った。

深町は、ドライバーズ・シートに戻り


「それじゃまた。」と
スターターを動作させた。

< 143 / 213 >

この作品をシェア

pagetop