elevator_girl

「よお、松。」


すこし先のバス降車場から降りてきて、夏名とゆっくりあるいてきた
松之を、深町は呼ぶ。

「あ、おはよ、シュウ。早いな」
「おはようございます。」


松之と夏名が、揃って朝のごあいさつ。







お揃いだねぇ、おふたりさん、なんて深町は軽口を叩く。
松之は、奇妙な顔して、よせよ、と笑い
夏名は、口元を抑えて笑う。

「いやー、今日もいい天気だ。ははは」と深町は笑う。

「....雨だよな。」と、松之は不思議そうに空を仰ぐ。
夏名は、くすくすと笑っている。

昨日までとまるで変わらないような朝だ。


「あ、そうそう、松さ、昨日、諒子さんが....。」と深町が言うと
くすくす笑っていた夏名の笑顔が消える。

「なに?」と、松之も怪訝そう。


「スーパー・7を運転してみたいって。」
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