elevator_girl
「先輩だったら、あたしなんかよりも...。」と
夏名は、ちょっと甘えたような言葉で愛を確かめたくなる。
答えは分かっているのにな、と
深町は、夏名の甘えが愛しくなって
左手を、そっと夏名の右手に添えた。
でも、キャンパスの中なので、すぐに話す。
びっくりしたように見上げる夏名は、離れてしまった右手の指を
じっと見て、また、深町を見上げて笑った。
言葉なんて、いらないんだよ。
深町は、無言でそう語った。
「でも...。」と、夏名は言葉を濁す。
「ん?」と、深町は優しく夏名に微笑み掛ける。
「私が一番だ、って言うのは...本当の気持ちですか?」
と、夏名はセンシティヴな一面を見せる。
深町はその言葉が来る事を予測していたかのように
「諒子さんを気にしてるの?」と優しい言葉を掛ける。