elevator_girl
しばらく歩くと、遊歩道は普通の道となり
更に進むと、住宅街の中の細い路地の奥まったところに
諒子の家はあった。
緑深い敷地の中に、趣深い屋敷が
ひっそりと佇んでいる。

古い様式の木造建築のようで、部分的に西洋的な様式が混在している。
コングロマリット、とでも言おうか。
どことなく、昭和初期の医院を彷彿とさせる...。


流石の深町も配慮を見せたのか
「あ、それじゃあここで。もう、大丈夫。安全です」
と、踵を返す...と。



「送って頂いてありがとうございます。
お茶でもいかがですか」と、諒子はにこやかにそう告げる。


深町は、いいえ、それには..と,カタチだけ(笑)。


でも、せっかくここまでいらしたのですから、との諒子の言葉を
待っていたかのように(笑)深町は桜井家に。

唖然とていた松之だったが、柳さん、どうぞ、との
諒子の言葉に天にも昇るような気持ちだった。


話ができただけでも最高だったのに、ここまで...




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