elevator_girl

でも、その松之のハッピーさ加減は、軽音楽サークル中の話題だった。
(本当は、ライト・ミュージック・ソサエティだが
面倒なので、みんな軽音、軽音、なんて言う。
伝統のある国立大学だから、そういう古き良き言葉が残されているのだ。
音楽サークルには他にも、ロック・ミュージック、ジャズ・アンサンブル
ポピュラー、ムービー、等といろいろある。そして、かなり自由に学生たちは
いろんなサークルを巡っていた。
深町や松之のように、楽器を弾けたり
曲を作れたりする者は
便利にあちこちから誘われていたりした....)

この日も、クワイア・コーラスのメンバーが足りないと
深町は声を掛られている....


「お願いしますぅー。」と、クワイア・コーラスの女の子に
可愛い声でせがまれると
断れないのは(笑)深町の性癖である。
仕方ないなぁ、と....


「あのぉ、いつも路上ライブで一緒のあの先輩にも
おねがいしてくださいますかぁ?」


と、なんとなく不自然な可愛いっぽい声で言われても
まあ、うん、分かったよ、なんて返してしまう深町。


わぁ、ありがとうございますぅー、なんて
これまた不自然に飛び跳ねてみせるその子を見て....

なんだかなぁ、と思いつつ
まあ、断れないのも深町の優しさ、だろうか。
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