elevator_girl
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風になれたら
春の風....
かたさき揺れる 君の髪
ちょっといたずら 靡かせたいな
ナチュラル・ブラウン 君の髪
木もれ陽に 煌いた時
飛んでいきたい 春風のように
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*
*
演奏を終えた時には、もうあの子の姿は見当たらなかった。
楽器など放り投げて追いかけて行こうかとも思ったが
でも、なんて言うんだ?
「エレベータのボタンを連打してましたね」....これじゃあコメディになってしまう(笑)
第一、気味が悪い。
「どこかでお会いしましたね」 ...ナンパだよな、これじゃぁ。 あー、もう!
「なに、ひとりでぶつぶつ言ってるんだよ」と、シュウが僕の顔を覗きこむ。
ハッ、と我に帰って。とても恥かしくなる。
考えている事が解る筈無いのに、なんか気づかれてるような気がして。
「何、赤くなってんだよ。....いい音だったな、今の。なんか、途中から
すごく優しい気持ちになってたみたいだけど...。」
そう、シュウに言われて僕はますます恥ずかしくなって俯いてしまった。
「さ、次行こうか。何やろうか?」
シュウはギターを持ちなおす。