初めまして恋心
里穂と教室に戻ると授業が始まっていた
『遅い』
『すいませーん』
『すみません…』
あたしはこの時里穂の不自然さに気づいた
『穂っ…里穂!!』
『わあ!!』
『どうしたの?』
『ごめん…話せない…』
『分かった…』
その日ずっと里穂は上の空だった
『帰ろっ』
『うん…』
あたし達は寮に続く廊下の途中を無言で歩いた
『あっ山辺ー大丈夫だった?』
この声の主は坂田だった
『坂田先生!!あっ大丈夫です!』
里穂はいつものはっきりさを取り戻した…