闇に染まった真実。
次の日、俺に突きつけられたのは、衝撃的な物だった。
まぁ。俺が教えてほしいって言ったんだけど。
俺は記憶喪失で一部の記憶がないのだとか。
ここ数日間、起きているのに意識がない状態だったらしい。俺が夢だと思っていたのは、現実だったんだ。
やっぱり、昨日いた人たちは俺の家族らしい。
…昨日の写真の男が暴力を振るっていたのだとか。どうりで首に跡があったり、痣がたくさんあった。
この話を聞いた時は、ひどく頭が痛くなって。鈍器で殴られたようだった。
でも。
「お母さん」は優しくしてくれて。それが懐かしいと感じるのに、思い出すことが出来ない。
「妹」も俺を少し怖がっているように見えた。
俺が思い出さないと、たくさんの人に迷惑がかかるというのに。
「朝陽くん。ゆっくりでいいからね?」
「…いいわけないだろっっ!」
気持ちばかりが焦って、だめになって。先生の言葉も耳に入って来なかった。