闇に染まった真実。
三章
全てを終わらせるために。
「ねぇ朔夜!なにか、白牙の情報って入っていたりする?」
放課後、いつも通り倉庫に行き、久しぶりに幹部室に入る。
いくら幹部の皆と仲良くても、あまり出入りはしてない。そこのラインは自分でひいてるつもり。
だから、最近の白牙の動きもわからなくて。
私が馬鹿で見失っていた目的。
学校でもやけに大人しいし、なにかありそうな気もして。
「あぁ、それが全くと言っていいほど入ってこねぇんだよ。…『なにもない』というよりも、『隠してる』っつう感じなんだけどな。」
「え、どういうこと?」
意味が分からなくて、聞くとソファに座っている朝陽さんが説明してくれた。
「つまりね、白牙はおそらく突然俺たちを襲うってこと。真っ向勝負なんて白牙にとって不利でしょ?だから、いきなりきて準備していないところを襲うってわけだよ。」
「それってズルくない?」
「この世界に卑怯もなにもないんだよ。白牙はどちらかというと正統派だけど…それでもこのくらいはするさ。それに、あまり日が経つと、俺たちが警戒して作戦にならないから、きっと、抗争は迫ってるよ。」
そうなんだ…。
「抗争は思ったよりも近くなってきているんだね。」