タンポポの約束。
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まだ小学生だったあの時私は病院に来ていて
その時好きだったテルくんからもらった栞を
風に飛ばされ、水に落としてしまい、泣いていた
すると、泣いている私に綺麗で可愛い女の人が優しく声をかけてくれた
その人に事情を説明すると
天使みたいな笑顔でクローバーを挟んである栞を差し出してくれた
『えっと…じゃあお姉ちゃんの大事な栞をあげる!これじゃダメかな?』
その時の私は何も考えないバカだったから
大事なものを素直に受け取ってしまった
『わぁ〜♪かわいい
いいの?お姉ちゃん』
『うん!他にもあるから大丈夫だよ』
そして私の手に栞を渡すとき、少しだけ悲しそうな顔をしたのを覚えてる
でもやっぱり私はバカだったから能天気に受け取った
『嬉しいな♪
クローバー好きだよ!』
『そうなの?
お姉ちゃんね〜、○○○っていうんだよ』
『かわいい〜♪
私たんぽぽっていうの〜』
『たんぽぽちゃん?
可愛いお名前だねゲホゲホッ…
じ、じゃあお姉ちゃんゴホッ戻るね』
お姉ちゃんはすごく苦しそうに咳をしていて
顔色が悪かった
『うん!ありがとう♪
風邪早く治してね♪』
『ありがとゴホッう』
そう言ってその人とは別れた
名前は三文字だった…
出てきそうで出てこない…
あの後私はお姉ちゃんに会おうと思ったけど
もう病院にはいなくて、会えなかったんだ
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と、先生に話すと
先生の顔は優しげに微笑んでいた
まるでその時のことを思い出すかのように…