タンポポの約束。




神凪はいつも困ったように話す癖がある
自分じゃ気付いてないだろうけど




ニコっと愛想よく、可愛く笑うくせに
話し出すと自信がないようで、常に困ったような顔で話すんだ




そこが面白くて気に入ってる











「どうして今日はここに…?」











ほら、今だって不安で仕方ない顔だ



表情ですぐわかるもんな〜











「写真、見せようと思ってな」





「えっ…
私に栞をくださった人のですか?」





「うん、そうそう」











みつば、多分みつばが栞をあげた子は間違いなくこの子だよな




日付も7月23日だし




ほぼ確定だろ






俺はみつばに内緒でこっそり撮っていた
みつばの写真を神凪に手渡した











「こ、この人…
この人ですっ!」











やっぱり



俺が誰よりも愛おしいと感じていた人

如月みつばだ






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