タンポポの約束。
そんな入院生活が続いていた日
その日は8月3日
俺達の1年記念日だったんだ
前日にとびきり綺麗なクローバーを二人で探そうって言っていた
出来るわけないのも分かってたけど
叶えたいって思ってたから
俺がもうすぐ病院に着くって時に知らせは来た
"みつばが危ない"
と、みつばの母親から電話があったんだ
みんなで急いで行ったよ
たどり着いた時には色んな器具に繋がれたみつばがいた
洗い呼吸を繰り返してとても苦しそうにしていた
あぁ、きっともう最期だってみんな思っただろうね
みんばは一人ひとりに言葉を託して
苦しいだろうにゆっくり、ゆっくりと
みつばは笑顔が好きだったから
俺はその時も絶対に笑顔でいた
そして俺にはこう言った
『みなと…くんとであえ…てよかっ…た
ゴホッゴホゴホッ…ほんとうに…だいすき
クローバー…さがして…きて…
いっ…たよね?
きれい…なクローバーさがす…って
行って!振り返らずにっ!』
って
残酷だよみつば
きっと、最期は見られたくないんだと思う
わかってたけど見届けたかった
でもね、俺はみつばの言う通りにしようと思ったよ
『わかった
必ず帰ってくるから待ってて』
『ゲホゲホッ…ありがとう…
だいすきだよ…』
『俺も大好きだよ
愛してるよみつば』
これが、俺とみつばの最期の会話だった
それから俺は泣きながらクローバーを走って探したけど…
間に合わなかった
綺麗な顔で寝てたよ
とても幸せそうに…