タンポポの約束。




どれくらい描いていただろう?



時計を見た時にはもう6時を回っていた











「なのに……」











少ししか進んでない…


どうやったらこんなに遅く描けるの?
って自分に言いたいくらいのスピードの遅さだ






やっぱり才能ないのかな?


なんて考えていると、タイミングよくミナくん先生が戻ってきた











「あ、ミナくん先生〜」











ミナくん先生は私の絵を見て呆れるでも、驚でもなく、優しく

でもどこか切なげに微笑んだ











「おつかれさん、まだする?」











このままじゃ本当にテストまでに終わらないからした方がいいよね…











「し、しますっ!」





「お、気合い十分」











そう言うと近くにあったイスに腰掛け
スケッチブックを眺め出すミナくん先生







ページをめくるでも無く
ただ穴があきそうなほどじっと見つめて…







そこに何が描かれているのか気になるけど…






気にしないようにした方がいいよね?






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