タンポポの約束。
【たんぽぽside】
長い夢を見たような気がする
みつばのクローバーとたんぽぽの咲いているところで私は寝転がっていた
ここはどこだろう?
早くおうちに帰らなくっちゃ
私が起き上がると、見たことのある女の人が隣に座っていた
「あ、起きた??
たんぽぽちゃん、私のこと覚えてるかな?」
その優しくて凛とした声
優しいその表情
私に大切なクローバーの栞をくれたあの時の笑顔と何も変わらない
ミナくん先生の大好きな人
四葉さん、冬織さん、芽命さんの大好きな人
そして私にとっても大切な人の…みつばさんだった
「みつばさん…ですよね?」
「正解っ!
大丈夫、たんぽぽちゃんはすぐに帰れるから
それまで少しだけお話しましょう♪」
私はすぐに帰れる…かぁ
よかった…
「たんぽぽちゃん大きくなったね♪
私ずっと見てたよ、湊くんとたんぽぽちゃんのこと
まさか二人が出会うなんて思ってなかった
運命ってやつなのかもねー」
運命…
確かに考えてみたらそうだよね
私の美術の先生であるミナくん先生の彼女だった人と、私が昔あったことがあった上に
行きつけの美容室の四葉さん、芽命さんとも知り合いで…って
本当にこんな偶然があるなんて…
「偶然ではなく、必然だったんだよね
私とたんぽぽちゃんがあったあの日から、たんぽぽちゃんと湊くんの物語は始まってたのかな」
「みつばさん…」
どうしてか…悲しくなってくる…