タンポポの約束。
「ミナくん先生〜」
「ん??」
「部員の方はいいんですか〜??」
なんかここから動く気配がないから聞いてみると
スケッチブックから顔も上げずに答える
「ん〜、もう部活終わってみんな帰ったから」
「えぇっ!?」
う、うそ〜…
じゃあ私のせいで先生残ってるんじゃん!
「邪魔ですよねぇ…」
さっさと帰りたいと思っているに違いない
私が急いで片付けようとすると
ようやくスケッチブックから顔を上げた
「俺の時間を削るのはいいさ
それが教師の仕事だと俺は思ってる
いや、あいつが一番思ってるかもな…」
「あいつ??」
そう言った先生の瞳は私を見ている筈なのに
私ではないどこかを見ているような目をしていた
「ってわけだから描く描く!!」
「で、でもぉ…」
「描かないんだったら帰る!」
「か、描きますっ!」
先生の有無を言わせない言い方に思わずまた
描き始めてしまった
先生の時々するあの顔
スケッチブックと何か関係があるのかな??