タンポポの約束。




「よし、できたっ!
凄く似合ってるよ〜♪」





「わぁ〜♪すごいですっ!」











綺麗に着せてくださった浴衣に
少しだけメイクもしてくれた芽命さん











「お、似合うじゃん
まるで姉ちゃん見てるみたいな感覚になった」











四葉さんもできたと聞いてやってきたのか
私を見ながら懐かしそうに微笑んでいる











「みつばさんをですか?」





「うん、姉ちゃんも手嶋と今日の夏祭りに行ったんだよ
全く日にちも同じな今日に
それも浴衣を着て、髪を綺麗に巻いて、メイクも少しして
それを思い出すなぁーって」











そうなんだ…

全く同じ日にちに同じ祭り…

髪型は私はアップにしてるけど
それ以外は当てはまるもんね




それはちょっと思い出させてしまって申し訳ない











「それとな、今日は姉ちゃんの命日なんだ」





「……え?」











四葉さんがそう言うと、芽命さんも顔を少しだけ下げる











「手嶋と姉ちゃんは夏祭りの時に付き合った
でもそのまる一年後…つまり、1年記念日の日に亡くなったんだ」





「そんな…」











そんなのきっと今日は一番ミナくん先生にとって辛い日なんじゃないだろうか?





私が少しだけションボリとしていると、四葉さんが私の肩を叩いた











「今の手嶋を元気づけられるのはたんぽぽちゃんだけだから
今日の手嶋のこと頼んだよ」





「は、はいっ!!」











そうだ、みつばさんにも頼まれたじゃない



私がもっとしっかりしなくちゃ!











「では、ありがとうございました!
行ってきますね♪」











私は頑張ろうと言う気持ちを込めて、先生の元に少し急ぎ気味に向かった






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