タンポポの約束。




「────────だ」











先生が口を開いたと同時にバーン!と大きな音を立てて花火が上がり、先生の言葉が聞こえなかった





それにしても本当に綺麗に見える場所だ

私の視界すべてが星と花火で埋め尽くされる
すごく綺麗…











「き、聞こえませんでした…」





「ならいいよ
なんでもないから気にしないで」





「え??」











すごく気になります


もやもやと渦巻くくらい気になります



でもそんな言われるともうそれ以上聞けないのが私なわけで…











「綺麗だろ??」











先生は話題を変えるように
花火に手を伸ばしながらそう言った




その姿はまるで絵から飛び出してきたかのように綺麗だった











「ここはさ〜、みつばと俺が付き合った場所
それで二人でここに倒れた時花火が打ち上がって見えたんだ
その時うわー綺麗だー!って思った
だからその次の年も見れるものだと思ってたんだけどな…」











話す先生の顔は苦しげではなく
懐かしみ、愛おしむような顔



今までの先生とは違う











「それからどんなに綺麗な花火を見ようと綺麗とは思わなかったけど…
今日は綺麗だと思ったよ」





「え??」





「なんでかわかる??」











なんで…??
そんなのわからないですよ先生…




なんでだろう?
みつばさんの命日でこの日にあの時と同じ祭りだから?





そうだったら余計綺麗と思わないんじゃないかな?






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