タンポポの約束。
放課後
ふうちゃんと愛美ちゃんが意気込みながら3年生の教室に向かっていったのを見届けて
私は一人で美術準備室に向かおうとしていた
ナツメ先輩から一人になるなって言われてたのを忘れて…
「たんぽぽ先輩だ!!」
「うお、たんぽぽちゃんだー!」
「純粋そうに見えるのにな〜!」
私が一人で歩いて行っていると
そう言いながら、1年の男の子
同じ学年の男の子
3年生の男の人が近寄ってきた
そこでハッと気付いた
先輩から一人になるなって言われていたことに…
どうしよう…
「あの噂って本当か?」
「もうミナくんとやっちゃったのか?」
「先輩直接言い過ぎっしょー!」
そう言いながら笑っている3人
全然面白くないんですけど……
「あの、通してください…」
私が無理やりにでも通ろうとすると
3年生の男の人が私の手を掴んで
顎をクイッとして近づけてきた
やだやだやだ!!!
こんなにキュンとしない顎クイなんて初めてだよ!
っていうか、顎クイなんてはじめてだよ!
なんて呑気なことを考えながら
必死にもがいていると、何処からともなく手が伸びてきて
3年生の男の人の手を払った
「てめー!何しやがる!」
「お前こそなんだよ!!
俺のぽぽに手出すんじゃねーよ!」
そう、出てきたのはテルくん
一瞬でもミナくん先生だといいなぁ
なんて考えた自分に悲しくなってくる…