タンポポの約束。
「ミナくんじゃ〜ん!
俺今告白してるんだ!邪魔しないでくれ」
八代先輩は私に向き直ると
少し不気味な笑みを浮かべた
「とりあえずナツメって呼べな?」
「な、ナツメ先輩…?」
「そそ!付き合ったらなんでもしてやるからよ
付き合おうぜ〜?」
ど、どうしよう…
どう言ったら先輩は引き下がってくれるかな?
そんなことを考えていると
ミナくん先生がナツメ先輩の肩に手を置いた
「しつこいぞー
みろ、神凪困ってんじゃんか」
「え?あ、まじ??」
困ってます
果てしなく困ってます…
ナツメ先輩は私の顔を見ると
少し悩む振りをして、今度は満面の笑顔になった
「俺からこんな言われて照れてんだろ!
かーわいいなっ!じゃあこれから徐々に俺様のものにしてやるから覚悟しとけよー」
そう言って本をミナくん先生に渡して
図書室から出て行ってしまった
なんか、嵐のような人だったな…
ミナくん先生は本を私に渡して
床に落ちた栞を拾い上げた
その時先生の目が驚いたように開かれたのを
私は見逃さなかった