印堂 丈一郎の不可解な生活
「まさか滅びの五人のうちの一人が、師匠の傍らで監視していたとはな」

刀で刺突を仕掛けようとする咢。

しかし。

「待て!待ってくれ!」

そんな咢を丈一郎が止める。

「どけ」

言い放つ咢の声は、何処までも冷徹だった。

「わかっている。お前はこの女をまだ化け物と認識し切れていないんだろう?」

「あ、ああ…ついさっきまで一緒に生活してたんだぜ?爺さんと俺と貴遊と…短い間だけど家族のように接してきたんだ…髪の毛や目の色が変わったくらいでよぉおぉ、何も殺すこたぁねぇんじゃねぇかあ?」

「髪の毛や目の色だけだと思うのか、丈一郎」

立ちはだかる彼を、咢は押し退けようとする。

「そこをどけ!滅びの五人は必ず人類に災厄をもたらす怨敵だ!」

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