印堂 丈一郎の不可解な生活
強引に丈一郎を突き飛ばし、咢は私に迫ってくる!

鋭い切っ先での刺突!

私は反射的にその攻撃を、天井近くまで跳躍して回避した。

丈一郎が信じられないものを見るような目で私を見る。

たかだか一介の女子高生じゃあできない動き。

調息使いのそれにも匹敵する身体能力。

「ごめんね丈一郎、騙すつもりはなかったの」

床に着地し、私は彼に詫びる。

真祖である自分を隠していた訳じゃない。

本当にさっきまで、私は記憶を失っていたんだ。

「詫びる事はない」

咢は刀を構えて更に仕掛けてくる。

「化け物が欺き謀り偽るのは当然の事だ、丈一郎に申し訳なく思うなら」

彼の斬り上げが襲いかかる!

「この場で果てて散滅しろ」

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