印堂 丈一郎の不可解な生活
想像以上に深い踏み込み。

調息伝導率100パーセントというその刃は、私の腹を、内臓に達するほどに切り裂く!

ビチャビチャと床に飛び散る血。

「き、貴遊!」

丈一郎が叫ぶが。

「見ろ」

そんな丈一郎を制し、咢が指差す。

…切り裂かれた私の腹の傷は、見る見るうちに塞がり始めていた。

皮膚が、肉が、絡み合うように再生し、傷を治癒させていく。

高位の化け物ならば大抵が持っている、強力な再生能力。

滅びの五人が恐れられる理由の一つだった。

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