印堂 丈一郎の不可解な生活
不可解な二人
咢が去っていった後、骨董品屋には再び静寂が訪れる。

残ったのは私と丈一郎。

二人きりになるのは、何度も経験がある。

でも、以前とは違う。

『貴遊と丈一郎』じゃない。

『セシル・カイルと丈一郎』、『真祖と調息使い』だ。

もう私は人間じゃなくなってしまった。

丈一郎達人間の宿敵になってしまった。

そんな私と二人きりになった丈一郎。

何を思っているだろう。

共に暮らしていたよしみで、さっきは咢から私を庇ってくれた。

でも本当は、化け物である私に嫌悪感を抱き、恐怖心を抱いて…。

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