印堂 丈一郎の不可解な生活
革手袋を身に付け、両手を開いたり閉じたりする丈一郎。

「ちょっと革が硬い感じもするがよぉおぉ…なかなかいいぜぇ、ジャストフィットだぜぇぇぇ」

「普段から調息を練って通す習慣にしておくといいらしいわ。手袋も馴染みやすくなって、より調息が強力になる」

「……」

私の説明に、丈一郎は不思議そうな顔をした。

「……何?」

「おめぇよぉおぉ、真祖なんだろ?滅びの五人の一人なんだろ?そんな事教えちまったら、おめぇに不利なんじゃねぇか?」

「そりゃ…そうなんだけど…」

私は俯き、ちょっとモジモジしてしまう。

「丈一郎は咢から私を庇ってくれたし、血も飲ませてくれたし…恩返しくらいは…したかったの…」

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