印堂 丈一郎の不可解な生活
足を撃ち抜かれ、ガクリと跪く私。

「立てセシル。仕置きは一発では終わらんぞ」

銃口が、私に向けられる。

今度は何処に撃ち込まれるのか。

私はサーによって変貌させられた真祖だ。

一発や二発撃たれた程度ではすぐに再生してしまうのは、サー自身がよく知っている。

だからお仕置きは容赦ないものになる。

人間ならば命に関わるほどの責め苦を与えられる。

だけど。

「おいテメェ!」

丈一郎がそれを黙って見過ごせる筈がなかった。

「テメェは貴遊の仲間なんだろっ?何でこんなひでぇ事しやがる!」

「……何だ貴様は?」

「質問してんのはこの俺だタコォッ!」

調息を込めた左拳で殴りかかる丈一郎!

「いけない!」

制止しようとするけど間に合わない。

拳を放つ丈一郎に対し。

「フン…人間が」

サーは左手の黒鉄の大型拳銃ネヴィロスを発砲した!

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