印堂 丈一郎の不可解な生活
サーの持つ二挺拳銃から放たれるのは、弾丸ではなく魔力から生成された弾。

故にサーの魔力が尽きるまで弾切れを起こす事なく、また普通の鉛弾よりも高い威力を持つ。

だけど逆に言えば。

「あっ…ぶねぇ…」

不浄を退ける調息の天使の力(テレズマ)にも反応するという事。

丈一郎は咄嗟に右掌に調息を練り上げて、サーの撃った弾を受け止めていた。

「すげぇ威力の弾だぜぇぇぇ、右手が痺れてやがる」

「ほほぅ…」

感嘆したように、サーが声を上げた。

「奇妙な技を使うな人間。何者だ?」

「俺か?」

丈一郎は、親指で自身の胸を指した。

「俺ぁ調息使いの印堂 丈一郎様よ。化けモン、さっさと貴遊に土下座して謝りやがれってんだ」

いけない。

それ以上いけない。

サーをそれ以上刺激しては…!

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