印堂 丈一郎の不可解な生活
「調息…調息使い」

サーの口角がつり上がる。

「この世界を原初に戻してから2000年…以前にはなかった技法だ。以前とは違う知恵や歴史を歩んだか…猿に等しい人間も、なかなかに興味深い」

「何ブツクサ独り言垂れてやがんでぇ!」

丈一郎はもう一度調息を込めた拳で殴りかかる!

だけど。

「無意味!」

サーは二挺拳銃ではなく、自らの拳で丈一郎の顔面を殴りつけた。

丈一郎より後より動いたのに、丈一郎よりも速く。

その一撃を切っ掛けに。

「無意味!無意味!無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味無意味ッ!」

サーは左右の拳を次々と丈一郎に叩き込む!

強烈な拳を食らって、路地裏を吹っ飛ばされる丈一郎。

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