印堂 丈一郎の不可解な生活
サーの拳の連打を受ける直前、丈一郎は全身に素早く調息の膜を張り巡らせておいた。

いわば調息の鎧。

サーは自ら調息を帯びた丈一郎の体に拳を叩き付ける事になってしまったという訳だ。

同時に丈一郎はサーの攻撃のダメージを緩和。

「たかが人間と思っていたが、なかなかどうして…小賢しいじゃないか…印堂 丈一郎といったか?貴様」

「一度名乗った相手にもう一度名乗らせるのは、馬鹿のやる事だぜぇえぇぇ」

丈一郎は立ち上がる。

「覚えられねぇオツムの悪さならよぉおぉ、掌にでも書き留めておきやがれボケが」

「くっくっくっ」

丈一郎の悪態にも、サーは余裕の笑みを浮かべた。

「この俺にそこまでの口を利くとは…こんな侮辱を受けたのは久し振りだぞ」

焼け爛れた手が瞬時にして再生。

サーはその手で、再びサルガタナスとネヴィロスを握る。

「どうやって殺してくれようか、印堂 丈一郎」

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