印堂 丈一郎の不可解な生活
分厚いダウンジャケットの袖をも貫通するほどのグールの噛みつき。

血が溢れ出す。

「こ、このっ、放せ!放しやがれっ!」

何度も何度もグールを蹴り、強引に引き離す。

グールは丈一郎の腕の肉を食い千切りつつ、彼から離れた。

「ぐぅううぅうぅっ…」

傷口を押さえる。

酷い出血だった。

肉がゴッソリ抉れている。

野犬に咬まれても、こうはならない。

まるで肉食の猛獣か何かに咬まれたみたいだ。

それに丈一郎は厨二病だ。

グールに咬まれると、どうなるか知っていた。

「やべぇよぉおぉお…咬まれちまった…俺、ゾンビになるのか?グールになるのか?」

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