印堂 丈一郎の不可解な生活
だけど、サーはここで丈一郎との決着を望んではいなかった。

「戯れを思いついたぞ丈一郎」

彼は私の体を抱きかかえるなり。

「!?」

高い建物の屋上へと一跳びで跳躍する!

「テメェッ!貴遊をどこ連れて行きやがる!」

「姫君は攫われ、それを救うのが騎士の務めというものだろう、違うか?丈一郎」

心底愉しそうに、サーは笑った。

「貴様は怒らせれば怒らせるほど強くなると見た。ならば敢えて怒りを煽るやり方をとらせてもらおう。俺の愉悦の為にな。丈一郎、俺を倒してセシルを奪い返しに来い。本当に俺の眷属を愛しいと思うのならばな」

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