印堂 丈一郎の不可解な生活

不明瞭な譫言のような声を上げて、亡者達がにじり寄ってくる。

一体どれだけ放置されればここまでの腐乱死体になるのか。

見た目にも臭いも堪えない亡者達は、丈一郎達に近づいて来るが。

「！？」

咢の刀が、雪城の鍼が、亡者達を瞬斬する！

「見縊るなよ化け物、只の死体が歩き出した程度の連中に、調息使いを殺せると思うか」

掌の上で手裏剣を回転させながら、咢が言った。

「小間使いに殺らせて手を煩わせる事を惜しむようでは、俺達には勝てん」

雪城が鍼の尖端でベナルを指す。