印堂 丈一郎の不可解な生活
「もういいか?」

咢の不可解な発言に怪訝な顔をした。

そして思い出す。

『調息使いはこの場に三人いたのだ』と。

直後。

「お待たせ致しましたぁん♪」

そんなおどけた声と共に、背後から襲いかかる影!

調息を極限まで練り込んだ丈一郎が、跳躍からの打ち下ろしの左拳をベナルの後頭部に見舞う!

柘榴のように砕けるベナルの頭部!

更に。

「オォララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララッ!」

滅せよ砕けよぶっ潰れよとばかりに、丈一郎は渾身の乱打をベナルに叩き込む!

全てが調息を込めた拳。

化け物にとっては毒であり劇薬である調息が、一撃一撃に練り込まれて打ち込まれる!

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