印堂 丈一郎の不可解な生活
やはり咢と雪城は策士だった。

さっきの誘導してからの鍼と手裏剣の攻撃は、只の囮。

防戦一方だったのは、丈一郎が調息を極限まで練り込む為の時間稼ぎ。

全てはこの攻撃の為の布石だった。

如何に高い再生能力を誇るベナルといえど、調息を込めた乱打を受けては肉体を破壊される。

肉片になるまで全身を破壊し尽くされ、バラバラにされたベナル。

「テメェなら何れは再生するだろうがよぉぉおぉ」

丈一郎は左拳をパシッと右掌に打ち付ける。

「調息を込めた拳だ、完全復元には時間がかかるだろうぜ。それだけで十分だ」

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