印堂 丈一郎の不可解な生活
不可解な友情
このテーマパークのシンボルになる筈だった古城。

シンデレラ城をモチーフに建てられたらしいこの古城も、この夜の暗闇の中、ライトアップも無しでは不気味にしか映らない。

その古城内部の階段を、駆け上がる音がする。

複数の足音。

それはどんどん近づいてきて。

「邪悪ぅ…!」

荒い呼吸と共に、三人の男が古城の最上階に乗り込んできた。

サーの陣取る最上階に。

私が囚われの身になっている、この最上階に。

丈一郎、咢、雪城。

三人の調息使いが、遂に乗り込んできた。

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