印堂 丈一郎の不可解な生活
不可解な決闘
何でこの二人が殺し合わなきゃならないのか。

化け物である私でさえそう思う。

雪城と咢。

私はこの二人とは付き合いは浅い。

知り合って間もないと言ってもいい。

二人とも私の事を化け物と見ていて、仲間意識なんて持っていないだろう。

彼らは丈一郎とは違い、調息使いとして、必要なら私を葬り去るくらいの事はしてのける。

だけどそれは、自分の置かれた使命の為。

決してサーのように、愉悦や気紛れによるものじゃない。

彼らは自身の信念の為に、『黄金の魂』の導くままに使命を果たそうとしている。

そんな二人が、『唾棄すべき悪』に操られて殺し合おうとしている。

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