印堂 丈一郎の不可解な生活
何度倒しても復活するインプ達。

増えるのは、インプ達に噛みつかれて出来た丈一郎の傷だけ。

永遠に死ぬ事のない使い魔相手に、丈一郎は意味のない疲労と消耗を蓄積させていく。

「少しばかりでも勝てると期待していたか?この間抜けが」

腕組みしたまま、サーは嘲笑した。

「あのベナルでさえ、2000年前には俺に太刀打ちできないまま消滅した。俺がちょっとばかり本気を出せば、貴様などインプ相手にもがき苦しみ続けるしかない」

そう。

サーは『振り出しの魔法』を持つ地獄の大公爵。

彼は時間の流れをも自在に操作できる。

世界を支配する能力の持ち主。

時間を逆戻りさせる事の出来る存在に、人間は絶対に勝てない。

勝てる筈が…。

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